「砂漠には、木を植えた方が良いのではないですか?」
というご質問をしばしば受ける。
もちろん、木を植えようとして簡単に育つ所にはそれで良い。
しかし、砂漠に木を植えるということはそんなに簡単なことではない。
既に砂漠化してしまった土地には微生物がいない。
微生物がいないと、木も作物も育たないのだ。
カラカラに乾いた土地に、ただ水を撒くだけでは、
文字通り
「砂に水を撒く」
だけで、植物が育つ土地にはならないのだ。
よって肥料や微生物等、他から投入せねばならず、
長年各地で大金を投じて研究されているが、
なかなか成果が上がらないというのが実情だ。
さらに、人工的な砂漠の緑地化は主に現場の地下水を組み上げて使われる。
現地に住む人にとっては、淡水は何よりも大切なものだ。
ところが緑地化運動は、地下水を汲み上げて撒くために、
どんどん地下水の水位が低くなり、
そこに住む人々が生きていくのが困難になりつつあるのが現状である。
彼らにとっては
「植林なんかに『大切な水を取られてたまるか!』」
ということなのだ。
しばしば、緑地化が成功したところの近くでは、
他の部落民が地下水が取れなくなったことを恨み、
殺傷事件が起きるのは、このような理由からである。
そもそも、地球上で淡水の占める割合はたったの2.5%
世界中で水不足が叫ばれているが、
不足しているのは淡水で、海水はたっぷりあるのだ。
それならば、海水を使って、酸素を供給できるものを育てた方が簡単だ。
今でも地球の酸素の半分は海の藻類から作られている。
さらに、木は、その体積の多くを幹や枝など、セルロースの部分で占められる。
残念ながら、人間はこれをあまり活用できない。
しかし、デュナリエラは、酸素をだすだけでなく、その体そのものが
油脂、タンパク質、炭水化物、βカロチン等
で、できているので、体まるごと使える。
そもそも、体の中に油分が多いので、水の中で浮いていられるのだ。
細胞壁も薄いので、それらの養分も取り出しやすい。
さらに、
・海洋深層水を使うことによって、肥料がいらない。
・適応できる温度の幅が広い。
・濃い海水の中で育つので、雑草が生えにくい。
などの利点がある。
これからの時代、石油や石炭などの化石燃料を使っていては、地球が持たない。
デュナリエラから取れる植物性オイルは、
プラスチックや化学繊維の原料にもなれるのだ。
また、将来必ずくる食糧不足に、タンパク源、炭水化物源として利用できる。
これらは、砂漠に生えた木からは産出できない。
なので、海辺の砂漠で何も植物が育たないような場所なら、
木を植えるより、デュナリエラ水田を作った方が、
はるかに低コストで
効果的に、人類が必要とするものを手にいれることができるのである。
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